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ジブリ『千と千尋の神隠し』の動画を無料視聴できる配信サービス紹介

『千と千尋の神隠し』が劇場公開されたのは2001年の夏。300億円の興行収入額を記録し、ここから20年間の長きにわたり、この日本記録は破られることはありませんでした。海外でも数多くの賞を受賞しており、ジブリ作品の中でも最もよく知られている作品であると言えます。

当時のジブリの作品傾向では、10歳の少女が主人公である『千と千尋の神隠し』は非常に珍しいものでした。しかし、この作品の世界観や手がかりをよく読み解いていくと、他にも大きな特徴があることに気づき、大いに驚くはずです。この記事では、『千と千尋の神隠し』に隠されたそんな意外なテーマやモチーフについて解説しながら、作品を無料視聴する方法や無料の配信サービスを紹介します。

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ジブリ『千と千尋の神隠し』を無料視聴できる配信サービス一覧

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配信サービス一覧

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U-NEXT 視聴不可・・・ 31日間
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Hulu 視聴不可・・・ 14日間
FOD 視聴不可・・・ 14日間
Paravi 視聴不可・・・ 14日間
AmazonPrime 視聴不可・・・ 30日間

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とはいえ、「無料で観られるのはいいけれど、登録が面倒くさいなあ…」と思う方もいますよね。登録なしで無料で視聴できるサービスって、あるのでしょうか?

ジブリ『千と千尋の神隠し』を登録不要で観れる無料サイトの状況

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YoutubeやDailymotion,anitube,kissanimeなどの無料動画サイトや海賊版サイト(違法サイト)を利用すると様々な危険があります。知らないうちにダウンロードさせられてしまうだけでなく、罰則を受ける可能性もあります。
安全に作品を視聴するには、公式が正式に配信しているVODサービスの利用、またはDVDやBlu-rayでのレンタルをオススメします。安全に動画を楽しみましょう。

ジブリ『千と千尋の神隠し』のテレビ再放送について

テレビ地上波での再放送予定を調べてみましたが、『千と千尋の神隠し』の再放送予定はありませんでした。版権問題もあるため再放送がいつあるかもわかりません。『千と千尋の神隠し』を観たい場合はVODサービスでの視聴をおすすめします。

ジブリ『千と千尋の神隠し』を視聴できる各動画配信サービスの特徴

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TSUTAYA DISCASはネット上から注文をしてDVD/Blu-rayを届けてもらうサービスとなっています。新作8本+旧作借り放題となっています。『千と千尋の神隠し』だけでなく、すべてのジブリ作品を借り放題で観ることができます。

ジブリ作品は対象外ですが、TSUTAYA TVという動画見放題サービスもあります。

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ジブリ『千と千尋の神隠し』の作品紹介

あらすじ

10歳の少女・荻野千尋は家族と一緒に車に乗って引っ越し先の土地に向かっている途中です。車の中でだらしなく寝そべる千尋の手には、お別れにと友達がくれたスイートピーの花束と、「元気でがんばってね」というメッセージカードがありますが、意に沿わない転校と言う事態に不満たらたらな様子。

そんな千尋をよそに、これからの生活について冷静に算段をつけているお母さんを助手席に乗せ、明るい性格のお父さんが運転する車は順調に道を進んでいきますが、途中で間違って一本下の道を入ってしまい、道祖神の石像が立つトンネルの入り口にたどり着きます。お父さんとお母さんは怖がる千尋を置いてトンネルを潜っていこうとするなかなかマイペースな性格のようで、そんなふたりに慌ててついていく千尋でした。

トンネルを潜ると、レトロなデザインの駅舎が広がり、さらにそこを抜けるとテーマパークの跡地のような不可思議な建物が乱立した空間が広がっていました。とは言え、あちこちから煙が立ち上っており、さらには屋台らしきところに出来立てのご馳走が所狭しと並んでいるのが目に入ります。お父さんとお母さんは、「まだ営業しているんじゃないか?」と、目の前の食事に遠慮なくかぶりついてしまいます。「お店の人に怒られるよ」と心配する千尋を他所に、「後でお金を払えば大丈夫」と言う両親は次から次へとご馳走を飲み込んでいきく勢い。何を言っても無駄だと観念した千尋は、ひとり階段を上がって橋の下を見下ろします。ちょうど千尋の目の前を電車が通ったところで、さっき草原で見かけた線路も実はまだ生きているんだと驚きます。

ふと顔をあげた千尋の目の前には、昔話に出てきそうな出立ちをした、同い年くらいの少年が立っていました。少年は、まるで幽霊を見るような目で千尋を見つめていましたが、「ここにいてはいけない!早く戻れ!」と慌てて千尋を追い返します。たちまち日が落ち、夜の帷が降りていき、行燈に火が灯り出し、それまでにはなかった他者の気配が濃厚になり、影が蠢き出します。

やがて、ひときわ高く聳え立っている建物が光り始めます。なんとここは、八百万の神々が体を安めにくるお湯屋だったのです。

主要な登場人物

  • 荻野千尋 / 千(声:柊瑠美)

この物語の主人公。やりたいことが特になく、親に頼りながら生きている、特技のないイマドキの女の子です。ひょんなことから「トンネルの向こう側」の世界に迷い込んでしまいました。この世界に通底する「働かないものは生きていけない」と言う掟のため、到着早々湯屋で働かなくてはならなくなります。

湯屋では本名を名乗ることを許されず、湯婆婆から名前の内の一字である「千」という名で働くよう強要されます。名前を奪われるということは、相手に己の支配を許すということ。もともとしっかり自己を持っていない千尋は、名前を奪われることでさらに不安に苛まれていきますが、正体不明の美少年ハクや、湯屋の仲間に助けられながら、次第に人として大きく成長していきます。

  • ハク【ニギハヤミコハクヌシ】(声:入野自由)

トンネルの向こう側に迷い込んだ千尋を最初に見つけた、狩衣姿におかっぱ頭の少年。湯婆婆の手下として色々と危ない仕事を任されていると噂されており、湯屋でも浮いた存在である様子が描かれています。

ミステリアスな風貌の少年でしたが、その正体は、昔千尋が落ちてしまった川の神様で、「ニギハヤミコハクヌシ」というのが本来の彼の名前でした。彼も千尋同様、湯婆婆の魔法によって名前を奪われていたのです。

  • 湯婆婆(声:夏木マリ)

湯屋「油屋」を取り仕切る正体不明の魔女。湯屋の客である八百万の神々には腰が低いのですが、お金に関しては非常にシビアで、迷い込んできた千尋にお金を稼ぐ力がなさそうだと見るやいなや「鈍臭い」とにべもなくはねつけます。

そのかわり、実子の坊に対しては非常に甘く、行く末を心配するあまり外出禁止にしてしまう始末。双子の姉である銭婆とは犬猿の仲のようですが…。

  • 坊(声:神木隆之介)

あまりに歳が離れすぎているため一見するとわかりませんが、湯婆婆の一人息子。過保護な母親によって生まれてからずっと寝室に閉じ込められており、且つ欲しいものを好きなだけ与えられるという生活を送っていたからか、赤ん坊とは言い難いほど巨大化してしまった身体を持て余しています。

最初は駄々を捏ねてばかりでしたが、銭婆の魔法でネズミに変身させられてからは自発的に動くようになり、心を大きく成長させていました。

  • 釜爺(声:菅原文太)

湯屋の釜焚きを一手に担う古株。鷲鼻にサングラス、口髭という一見強面の爺さんですが、懸命に働き、ハクを助けようとする千尋には優しく手を差し伸べてくれるおじいちゃん的存在。古株のリンとは顔馴染みのようで、会話の端々から気の置けない関係性が見て取れます。

  • リン(声:玉井夕海)

湯屋で働く湯女のひとり。テキパキ働く姉御肌で、最初こそ千尋に対してつっけんどんな態度をとっていましたが、実は心配する心の裏返しであったりと天邪鬼なところもある様子。

ひとり「沼の底」駅に向かう千尋を、力一杯送り出してくれた大切な友人です。

  • カオナシ(声:中村彰男)

湯屋に迷い込んでしまった、正体不明の亡霊のような存在。言葉を喋ることができず、吃音のような声しか出せませんが、仮面のような顔がわずかに表情らしき動きをしています。自分に優しくしてくれた千尋についてまわり、彼女の気を引くために手から砂金を出したりしますが断られ、ショックのあまり青蛙・兄役・ナメクジ女を次々と飲み込み暴走してしまいます。

後述する川の主からもらったニガ団子の半分を千尋から食べさせられたことで(残りの半分はハクの呪いを解くために使われました)飲みこんだ湯屋の面々を吐き出し、千尋に連れられて一緒に「沼の底」駅まで着いていきます。最後は銭婆と一緒に暮らすことが仄めかされ、穏やかな顔で千尋とハクたちを見送りました。

  • 父役 / 兄役 / 番台蛙(声:上條恒彦 / 小野武彦 / 大泉洋)

湯屋で働く面々と湯婆婆との間で働く中間管理職的ポジションのメンバー。どれも蛙の化身で、上から順にランクが高い様子。みんな最初こそ千尋を煙たがっていましたが、彼女の働きぶりに次第に信頼を寄せるようになっていきます。

  • 青蛙(声:我修院達也)

湯屋で下働きをしている小柄で口の悪い青蛙。金目のものに目がないため、砂金に釣られて暴走したカオナシに最初に飲み込まれてしまいます。

湯屋に迷い込んだ千尋に気づいた時は「人間臭い」と顔を顰めていましたが、カオナシから助けられたことで態度を改めることに。

  • オクサレ様【名のある川の主】(声:はやし・こば)

湯屋に迷い込んできた泥の塊のような神様。リンが持っていた賄いが腐ってしまうほど強烈な悪臭を放ちながら湯屋に入ってきてしまい、働き出したばかりの千尋が世話をすることになります。

身体に刺さっている「トゲ」のようなものに気づいた千尋の機転により、湯屋のメンバー全員でそれを引き抜くと、自転車の把手から掃除機・冷蔵庫などといった粗大ゴミの山が飛び出してきます。オクサレ神の真の姿は、名のある川の主。長年川に捨てられ続けてきたゴミの山に汚れてしまった身体を浄めに湯屋にやってきたのです。最後は能楽で用いられる翁面を掛け、清らかな身体に戻り天高く駆け上がっていきました。この時千尋の手に残していったニガ団子が、物語の後半で非常に重要な役割を果たすことになります。

  • 銭婆(声:夏木マリ)

湯婆婆の双子の姉。湯屋から6駅離れた「沼の底」駅の近くに住んでいます。小さな一軒家で最低限の魔法だけを使い、慎ましやかな暮らしをしています。とはいえその魔法の力は大きなもので、湯婆婆の命令でハンコを盗んだハクを苦しめることに。ハンコに仕込まれた呪いは、千尋の手(足?)によって解かれ、ハクも一命を取り留めました。

ハクの罪を許し、行く場所のないカオナシを引き取った、懐の広い人物です。

その他の登場人物

  • 荻野明夫(声:内藤剛)…千尋の父。明るいく豪快な性格で、道に迷っても構わず進み続ける楽天的な人物。
  • 荻野悠子(声:沢口靖子)…千尋の母。クールでサバサバした性格で、娘の千尋にもあまり干渉しない独特な性分の持ち主。
  • おしら様(声:安田顕)…大根の形をした神様。湯婆婆の元に行く千尋をこっそり手助けしてくれた優しい性格の神様。
  • オオトリ様…大きなヒヨコの姿をした神様。お湯に浸かっているところがなんとも可愛らしい。
  • 男衆「カエル」…湯屋で働く男性陣。
  • 女衆「ナメクジ女」…湯屋で働く女性陣。神様の身体を洗う、風俗女としての役割を担っています。
  • ススワタリ…『となりのトトロ』にも登場した煤の妖精(?)。湯屋で働いている間の千尋の靴を預かってくれていました。ご飯は金平糖。
  • 頭「かしら」…いかつい中年男性の頭だけが3つ連なった怪物。湯婆婆の書斎でのみ動き回っており、坊の見張り役として忙しなく跳ねています。
  • 湯バード…湯婆婆と同じ顔をした人面鳥。常に湯婆婆に付き従っていましたが、銭婆の魔法により小さなハエドリに変身させられることに。しかし意外と満更でもないようで、魔法が解けた後もハエドリの姿のままでした。

ジブリ『千と千尋の神隠し』の見どころ

散りばめられた神話と仏教のモチーフを探せ!

奈良時代までの文学作品は、『古事記』や『日本書紀』いわゆる記紀神話の影響を受けた独特な世界観を持っていました。と同時に、聖徳太子によって仏教が受容されるようになったことで次第に変化していき、平安時代に入ると仏教的観念が人々の思想を大きく支配することになります。その最たる例が『源氏物語』でした。

『千と千尋の神隠し』の最大の特徴は、記紀神話と仏教的世界観が巧みに織り交ぜられているという点に尽きます。それは、物語のあらゆる場面に散りばめられており、これを知るだけで作品に対する見方が180度変わると言っても過言ではありません。

千尋たち荻野一家が引っ越す先は、家族の誰にもゆかりのない「見知らぬ土地」です。そして道に迷ったことに気づいたお父さんが「一本下の道を来ちゃったんだな」と言う言葉はとても重要です。つまり、当初は一本上の道=高い土地=新興住宅地に向かっていたことがこの台詞だけでわかるのです。一本下の道と言うことは、埋め立てられる前の場所(もしくは限りなくそれに近い)すなわち原始的な気配の強い場所に迷いこんでしまったことを意味します。この時点で、すでに湯屋の存在する「トンネルの向こう側」があの世に近い場所であることがわかるのです。

さらにトンネルの手前には、かつては道に迷わないようにとよく置かれていた道祖神がありますが、道祖神はもともと旅人の守り神であり、道に迷わないようにするだけでなく、あの世に迷い込まないようにするための石像です。ここは落ち葉に埋もれ、崩れかかった石の祠が点在していたことから、普段人の踏み込まない場所であることが示されています。本来ならば、この世の人間が来てはならず、だからこそわかりやすいように道祖神が目の前に据え置かれているのです。にも関わらず千尋たちが迷い込んでしまったのは、祠が崩れかかっていたことからもわかるように、人間の目に見えてしまうほど神様の力が弱まっていたからでしょう。通常ならば守られているはずの異空間への入り口が、こうした亀裂によって現れ、千尋と言う異物が迷いこむという構図は、神話や文学の空間の基本形としてよく知られています。

トンネルの向こう側へ渡っただけならまだこの世との繋がりもあるかと思いますが、湯屋はさらにその向こうに存在します。境界線は、草っぱらに埋もれつつある線路跡。日が高く昇っている時間帯ではこの線路跡しか見えませんが、夜になると突如川が出現し、入り口に戻れなくなってしまうのです。千尋が湯屋の世界から元の世界に戻れなくなってしまった原因のひとつはここにあります。つまりこの川は、「三途の川」そのものだったのです。三途の川は死を意味する仏教的象徴の最たるもの。であるにも関わらずここは、湯婆婆曰く「八百万の神様が疲れを癒しにくるお湯屋」であるということ。日本古来の神々が三途の川を渡ってくるという、非常にエキセントリックな設定がなされていることがわかります。

ちなみに、数あるジブリめしの中でも傑作と言われている、千尋がハクからもらう美味しそうなおにぎりを食べるシーンは、単なる差し入れの食べ物を食す以上の意味を持っており重要です。これは、生きている人間をあの世に繋ぎ止めるために食べさせる「ヨモツヘグイ(黄泉竈食ひ)」という極めて呪術的行為を指し示しているからです。あの世で取れた食物を、あの世の竈門を使って調理し、出来上がった料理を口に入れることであの世の住人となるという、神話ではよく見られるパターンなのです。

また、物語の最後、元の世界に戻っていく千尋へ対し、ハクが再三「振り向いてはいけない、真っ直ぐ進むんだ」と話していますが、これも神話の世界では知られているパターンのひとつです。「見るなの禁」と呼ばれているこの形式は、「神」という人外の存在の神聖さを高める効果を強めるために用いられるものであり、日本の著名な古典作品から昔話にまで引き継がれているとてもメジャーなものです(不思議なことに、この構図は古代ギリシア神話や旧約聖書の世界にも登場します)。『千と千尋の神隠し』は、最初から最後まで神話と仏教的世界観が交差する特殊な空間であることがわかります。

死の世界からの蘇りの物語

先程の説明では不足しているので、仏教的モチーフについてもう少しお話ししましょう。物語の後半部分に登場する重要な場所は「沼の底」という駅ですが、ここには仏教思想の影が色濃くのびていることがよくわかります。

ハクを助けるために銭婆の元へ行こうとする千は、釜爺から電車の切符をもらい「電車で6つ目の『沼の底』という駅へ向かえ」と伝えます。この「6」という数字に注目しましょう。「6」を仏教的世界観を基にして解釈すると、人々が輪廻転生する世界の種類を表した「道輪廻(りくどう)」という考え方と直結します。つまり、千は、死後のさらに奥深い場所に行こうとしている、とても危険な状態であることがわかります。加えて、釜爺はこう伝えます。「昔は帰りの電車もあったが、近頃は行きっぱなしだ」と。つまり、行ったら二度と帰ってはこられない、死出の旅路のことを意味しているのです。

電車の中には、黒いぼんやりした影のような人々が座っています。彼らは、各々が降りるべき駅に降りていきますが、その姿形はまるでカオナシそっくりです。カオナシもまた、死んだ人間の魂そのものであることがここでわかります。「三途の川」のさらに奥深くの「沼の底」、千とカオナシたちは、今まさに臨死体験をしているのです。カオナシはこの世の存在ではないのでそのまま沼の底に留まりますが、千は銭婆に「千尋」という本来の名前=生者としての名前を伝え、無事に帰還を果たすのです(そういえば、自分の名前から一字を採ると言う行為は、戒名をつけるそれとよく似ています)。

そして、意外に思うかもしれませんが、千尋がトンネルの向こう側に迷い込んでから元の世界に戻るまでの経過日数はたった3日間!ここで注目したいのが、ハクが千尋を湯屋のメンバーに紹介するときに説明していた「ここのものを3日も食べれば(人間の)匂いは消えよう」という言葉。千尋はまさに、あの世の住人になってしまう一歩手前でこの世に帰って来ることができたのでした。

登場人物たちの意外な共通点を表す「ダブリング」と「ドッペルゲンガー」

「ダブリング(=doubling)」とは、ひとりの役者がふたつの役柄を演じる、いわゆる「一人二役」を示す演劇用語です。別々の人物でありながら、実は隠れた共通点を忍ばせていることを示すのに効果的な演出であるのと同時に、あるひとつキャラクターの表と裏を可視化させ、役割分担させる効果も担っており、本体に対する分身側を「ドッペルゲンガー」と呼ぶこともあります。実は『千と千尋の神隠し』は、一見するとわかりにくいのですが、このダブリングとドッペルゲンガーの手法が巧みに取り入れられているのです。

まず、主人公の千尋にダブリングが使われています。千尋は湯屋で働くことになってからは「千」として生きることを義務付けられます。見た目は一人の少女のままですが、違う名前を与えられるということは呪術的な意味合いがとても強く、それだけで違う人格を背負わされてしまうことを意味します。普通ならキャラクター自体を分裂させてしまうところですが、この作品の優れたところは、千と千尋の二人の人格が同居するという現象を描くことによって、彼女がこの世界にとって極めて特別な存在であることを効果的に表している点にあります。

二番目のダブリングは、ハクとオクサレ神です。両者ともに川の神で、時間軸を異にしているとは言え千にその身を助けられ、且つ千尋を助けるという重要な役割をになっています。

三番目のダブリングは、坊とカオナシです。意外かもしれませんが、このふたりは「子ども」と言う共通項を持っています。重要なのは、坊が湯婆婆に守られて育てられてきた(極端に)典型的な意味で守られてきた子どもであるのに対し、カオナシは親も友人もいない孤立した存在で、年齢も性別も不明である(まさに「顔なし)個性を与えられなかった子どもであると言う、全く正反対なポジションにいるということ。つまり、坊は生きている子どもであるのに対し、カオナシは死んだ子どもの象徴であると言えるのです。この物語は各所に「水」に関するモチーフが登場します(湯屋そのもの・蛙男・ナメクジ女・川・沼の底など)が、亡くなった胎児を「水子」と呼ぶこととの関連性に気づくべきでしょう。この両極端なベクトルにいるふたりは、実は「駄々っ子」と言う幼い内面で通じていることも見逃せません。

千尋がドッペルゲンガーを使わないダブリングのキャラクターだとすれば、その反対のポジションにいるのが湯婆婆と銭婆の双子の姉妹です。自分に関することやお金に対して非常な執着心を見せる「キャピタリズム的」な湯婆婆に対し、手作りのものだけで暮らし、極力魔法を使わない「サスティナビリティ」を大事にする銭婆は、外見は全く同じなのにもかかわらず内面が正反対です。だからこそ、双子と言う分裂させたキャラクター造形を余儀なくされた存在と言えます。

耳で楽しむ♪ ジブリ『千と千尋の神隠し』の世界観

作品を楽しんだあとは、音楽を楽しんでみませんか?

TSUTAYA DISCASなら、一回につき2枚のDVDとCDを借りることができます。2枚ともDVDを借りることもできますが、楽曲が魅力的なジブリなら、作品のDVDとサウンドトラックのCDを1枚ずつ借りる…なんてコアな楽しみ方もできますよ!『作品名』の音楽を十分楽しめるおすすめのCDはこちら!

千と千尋の神隠し サウンドトラック

千と千尋の神隠し サウンドトラック

物語をいろどった楽曲を劇進行そのままの順序で忠実に収録。音楽を聴くだけで、物語の場面が脳裏に浮かぶこと間違いなし。

  • 1. あの夏へ (3分9秒)
  • 2. とおり道 (2分8秒)
  • 3. 誰もいない料理店 (3分16秒)
  • 4. 夜来る (2分)
  • 5. 竜の少年 (2分12秒)
  • 6. ボイラー虫 (2分34秒)
  • 7. 神さま達 (3分)
  • 8. 湯婆婆 (3分30秒)
  • 9. 湯屋の朝 (2分3秒)
  • 10. あの日の川 (3分13秒)
  • 11. 仕事はつらいぜ (2分27秒)
  • 12. おクサレ神 (4分1秒)
  • 13. 千の勇気 (2分46秒)
  • 14. 底なし穴 (1分18秒)
  • 15. カオナシ (3分48秒)
  • 16. 6番目の駅 (3分38秒)
  • 17. 湯婆婆狂乱 (1分38秒)
  • 18. 沼の底の家 (1分30秒)
  • 19. ふたたび (4分53秒)
  • 20. 帰る日 (3分21秒)
  • 21. いつも何度でも (3分35秒)

千と千尋の神隠し イメージアルバム

千と千尋の神隠し イメージアルバム

イメージアルバムとしては珍しい、ボーカル・アレンジのナンバーが多数収録された一枚。サウンドトラックのメロディーに歌詞をつけるだけで、全く違う世界観に生まれ変わります。

  • 1. あの日の川へ (3分54秒)
  • 2. 夜が来る (4分25秒)
  • 3. 神々さま (3分56秒)
  • 4. 油屋 (3分57秒)
  • 5. 不思議の国の住人 (3分20秒)
  • 6. さみしい さみしい (3分42秒)
  • 7. ソリチュード (3分50秒)
  • 8. 海 (3分22秒)
  • 9. 白い竜 (3分34秒)
  • 10. 千尋のワルツ (3分20秒)

ジブリ関連作品

坊役・神木隆之介がハウルについて回る見習い魔法使いマルクル役で、青蛙役・我修院達也が魔力をもったハウルの城の台所の火の精霊カルシファー役で出演。

坊役・神木隆之介が物語で重要な役割を果たす少年・翔役で出演。心臓に疾患を持つ病弱な少年の役作りが非常に優れており必見。

他にも、TSUTAYA DISCASなら、ジブリの動画が無料で観られます!

まとめ

奇抜な色彩の湯屋の街並みや内装、次々に登場するエキセントリックな湯屋の住人や神様たちに気をとられがちですが、『千と千尋の神隠し』に通底するのは、実は仏教や神話の世界観です。そして何より、その鮮やかさからは想像できないほど、死者の存在が根付いた世界でもあります。それを読み解く手がかりは、作品のそこかしこに散りばめられており、観れば観るほど発見がある、とても貴重な物語です。

是非、TSUTAYA DISCASで『千と千尋の神隠し』の世界を堪能しつつ、この記事でご紹介したさまざま」な手がかりを探してみてください。きっと、今までとは違う角度から作品を観ている自分がいるはずです。

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